こんにちは。アシスト・ジャパン株式会社 東京営業部 警備業担当のAです。
アシスト・ジャパンでは、花火大会や展示会などのイベント警備を中心に、施設警備も担当しています。現在は、常駐警備現場の獲得にも力を入れています。
本記事では、施設警備の視点から、日本ではまだ十分に語られていない「フィジカルセキュリティの設計」という考え方について書きます。
「機能しなかった」だけで評価は失われる
厳格な警備現場では、警備員の対応は「頑張ったかどうか」で評価されません。 「設計どおりに機能したかどうか」で評価されます。
事故は起きていない。侵入もない。被害もない。 それでも、あらかじめ定められた対応基準をクリアできなければ、それだけで問題になります。現場を外される人間もいます。
これは冷酷な話ではありません。 フィジカルセキュリティが、個人の努力ではなく仕組みとして管理されているということです。
日本ではこうした運用はまだ一般的ではありません。しかし、こうした現場が存在するという事実は、「警備員を置いているから大丈夫」という考え方の危うさを浮き彫りにします。
設計とは何か — SLA、Manual、Protocol
グローバル標準のセキュリティ運用では、警備体制を組む前に、まず3つの要素を定義します。
SLA(Service Level Agreement) — どの事象に、どの水準で、どの応答時間内に対応するか。警備会社と発注者の間で合意する品質基準です。
Manual — 日常の運用をどのように回すか。巡回の頻度、出入管理の手順、記録の残し方。平時の業務を属人化させないための文書です。
Protocol — 事案が発生したときに、誰が、どの順序で、何をするか。緊急時の判断と行動を事前に設計しておくものです。
人は、この設計の上で動きます。設計がなければ、セキュリティは属人化し、再現性を失います。
日本に根強い「人に頼るセキュリティ」
翻って日本では、警備員の役割、権限、判断基準が設計されていない現場が珍しくありません。
その結果、警備は次のような立場に置かれがちです。何も起きなければ評価されない。介入すれば煙たがられる。判断すれば越権と見なされる。
警備が「ただ居ればよい存在」「できればコストを抑えたい対象」として扱われるのは、警備員や警備会社だけの問題ではありません。役割、権限、判断基準が設計されていないことの帰結です。
サイバーだけがセキュリティではない
日本で「セキュリティ」という言葉が使われると、多くの場合はサイバーセキュリティを指します。フィジカルセキュリティに携わる立場として、そこに偏りを感じるのは事実です。
ただし、ここで言いたいのは感情論ではありません。
物理的な入口が守られていなければ、どれだけサイバー対策を強化しても、防御は現場から破綻します。サイバーとフィジカルは別の分野ではなく、同じ侵入経路を異なるレイヤーで防いでいるに過ぎません。
海外では、企業側にPhysical Security ManagerやSecurity Loss Prevention Specialistといった役職者が置かれていることは珍しくありません。警備を外注しても、設計、統制、評価は社内で担うという前提があります。
一方、日本では総務部や総務課が警備会社の窓口となり、運用設計やノウハウが十分に蓄積されないまま、形式的な契約だけが続くケースも少なくありません。
セキュリティが成立していない組織の兆候
次のような状態があれば、セキュリティは「弱い」以前に、成立していない可能性があります。
- 出入口が実質的に自由通行になっている
- 共連れが善意として常態化している
- 来訪者の移動範囲が管理されていない
- 外部業者が簡単な記帳のみで入館できる
- 情報資産が物理的に持ち出せる位置にある
- 「中にいる人は全員関係者」という前提で行動している
- 身分証は着用の有無だけで判断されている
- 不審な行動を見ても誰も声をかけない
セキュリティの問題は、「何が無いか」ではなく「どのリスクが検知不能か」で判断する必要があります。
設備よりも「運用の質」
高価な設備がなければ守れない、という話ではありません。
重要なのは、
- 誰が確認するのか
- どこで止めるのか
- どこまで権限を持つのか
- 何を記録として残すのか
これを定義するのがManualとProtocolであり、その水準を合意するのがSLAです。
設備は手段です。設備を動かすのは運用であり、運用を支えるのは設計です。
アシスト・ジャパンができること
アシスト・ジャパンでは、警備員の配置に加え、
- 入退館運用の設計
- 業者対応フローの整備
- 共連れ対策
- 有事初動プロトコルの作成
といった、運用を軸にしたフィジカルセキュリティの設計にも対応しています。
「警備員は入れているが、運用が整理されていない」 「何かあったときの対応が現場任せになっている」 「そもそも何から手をつければよいか分からない」
そのような段階でも問題ありません。現場条件を伺ったうえで、必要な体制をご提案します。 公式サイトのお問い合わせ窓口よりお気軽にご連絡ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


