イベント会場で急病人が出たとき、最初の3分で何をするか - アシストジャパン

イベント会場で急病人が出たとき、最初の3分で何をするか

こんにちは。 アシスト・ジャパン株式会社 東京営業部 警備業担当のAです。

アシスト・ジャパンでは、花火大会や展示会などのイベント警備に加え、常設施設の警備にも力を入れています。イベントだけではないアシスト・ジャパンを、どうぞよろしくお願いします。

本記事では、イベントや施設で急病人が発生したとき、最初の数分間に何が起きるかについてお伝えします。


目次

筆者は2回、心肺蘇生を行ったことがあります

警備の現場で、目の前で人が倒れたことが2回あります。どちらも心肺蘇生を実施しました。

死戦期呼吸というものがあります。心停止の直後に見られる、最後のあがきのような呼吸です。教科書では「普段どおりの呼吸ではない異常な呼吸」と書かれていますが、実際に目にすると、勘違いのしようがありません。あの光景は今も脳裏に焼き付いています。

この状態を見て「呼吸がある」と判断してしまうと、心肺蘇生は始まりません。

胸骨圧迫を始めると、骨が折れる感覚が手に伝わります。筆者は応急手当普及員というインストラクターの資格を持っていますし、講習会で何度も繰り返した手順です。それでも、「間違えていたらどうしよう」「この人は助かるのだろうか」

さまざまな葛藤が頭の中を駆け巡りました。

訓練を受けた人間でさえ、そうなります。

2回とも、その後の続報は聞いていません。助かったのかどうかは分かりません。ただ、やるべきことはやりました。

これは筆者が特別だったという話ではありません。訓練を受けていたから動けた。それでも迷った。では、訓練を受けていない人間はどうなるか。


AEDの場所は知っている。では、誰が何をやるか決まっていますか

イベント会場や商業施設の運営担当の方にお話を伺うと、「AEDの場所は把握しています」とおっしゃる方は多くいらっしゃいます。

では、お客様が倒れた瞬間に、誰が119番するか決まっていますか。誰がAEDを取りに行きますか。その間、倒れた方のそばには誰がいますか。周囲のお客様を遠ざけるのは誰ですか。救急車が到着したとき、建物の入口で隊員を誘導するのは誰ですか。

これらが事前に決まっていない現場は、珍しくありません。


倒れた瞬間、現場では何が起きるか

お客様が倒れると、周囲の人間は一斉にそちらを見ます。何人かが駆け寄ります。「大丈夫ですか」と声をかける人もいます。

しかし、ほとんどの場合、そこで止まります。

119番しようとスマートフォンを取り出す人はいるかもしれません。しかし、住所を正確に伝えられるかどうか。
「東京都○○区○○、○○ビルの○階です。入口は○○通り側にあります」
これをパニックの中で落ち着いて言えるでしょうか。

救急車の平均到着時間は約10分です。(総務省消防庁「令和5年版 救急救助の現況」による全国平均)
この10分間に、現場で何が行われるかで結果が変わります。


同時に走る5つのタスク

急病人が発生した瞬間、現場では少なくとも5つのことを同時に回す必要があります。

傷病者のそばにつく。 意識の有無、呼吸の有無、怪我や出血の程度を確認します。意識がない、あるいは朦朧としている場合は、迷った時点で心停止として対応します。普段どおりの呼吸があるかどうかを10秒以内に判断する。迷ったら、心停止として動く。この判断の速さが、その後のすべてを左右します。

119番通報する。 救急であること、住所、誰が・どうなったか、意識と呼吸の有無を伝えます。通報で特に重要なのは「いつ」「どこで」「だれが」「なにを」です。判明次第、追加で通報を重ねます。

AEDを搬送する。 AEDの使用は意識と呼吸がない場合に限りますが、搬送の判断を待っていては間に合いません。必要になるかどうかに関わらず、傷病者のもとへ運んでおく判断が求められます。

周囲を確保する。 お客様が集まってくると、傷病者のプライバシーが失われ、処置のスペースが狭くなり、救急隊の進入路が塞がれます。人垣を作らせないための統制が必要です。

救急隊を誘導する。 救急車がどこに停まるか、建物のどの入口から入るか、傷病者のいる場所までどう案内するか。これを事前に決めていなければ、到着してから案内役を探すことになります。

この5つを1人で担うことは現実的ではありません。複数名が役割を分担し、同時並行で動ける体制が必要です。


「誰かがやるだろう」は、ここでも起きる

先に公開したコラムで、多元的無知について書きました。周囲に人がいるほど「誰かが対処するだろう」と思い、結果として誰も動かない現象です。

急病人対応でも同じことが起きます。

お客様が倒れた。周囲に10人いる。全員が「誰かが119番するだろう」と思っている。30秒が過ぎる。1分が過ぎる。誰も通報していない。

このとき、最初に「あなた、119番してください」と名指しで指示を出せる人間が現場にいるかどうか。それが初動の分かれ目です。

名指しで指示を出すことに、多くの人は慣れていません。それが自分の役割だと認識していなければ、なおさらです。


役割が決まっていなければ、現場は止まる

AEDの場所を知っていることと、急病人対応の体制が整っていることは、まったく別の話です。

体制が整っているとは、次の問いに全部答えられる状態を指します。

お客様が倒れたとき、最初に駆けつけるのは誰か。119番通報は誰が行うか。AEDは誰が取りに行くか。周囲のお客様を遠ざけるのは誰か。救急車はどこに停めるか。救急隊をどのルートで案内するか。傷病者が小児の場合、対応は変わるか。時刻の記録は誰がとるか。

これらを事前に決め、関係者の間で共有し、可能であれば実地で訓練しておくことが、「体制が整っている」ということです。


救急車が来るまでの10分間

冒頭に書いた死戦期呼吸の話に戻ります。

あの呼吸を見て、それが心停止のサインだと判断できたのは、事前に学んでいたからです。知らなければ「まだ息をしている」と思い、心肺蘇生は始まりません。

救急車が来るまでの10分間を、ただ待つだけの10分にするか、やるべきことを全部回しながら待つ10分にするか。

その違いを作るのが、訓練を受けた警備員の仕事です。

急病人対応は、AEDの有無だけで完結するものではありません。通報、現場統制、導線確保、救急隊への引き継ぎまで含めて体制を組んで、初めて機能します。警備員は、その初動を現場で実行に移す役割を担います。


施設警備もアシスト・ジャパンで

アシスト・ジャパンでは、イベント警備に加え、常設施設の警備にも対応しています。

急病人対応を含む初動対応の体制づくりについてもご相談いただけます。

警備体制や緊急時対応について気になる点がありましたら、公式サイトのお問い合わせ窓口よりお気軽にご連絡ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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